「もう行っとくしかない」そう思って昨夜、ジュリーを観にフェスティバルホールに足を運んだ。
昨年、二人の男性のそれぞれからジュリーのコンサートに行ったことを聞かされた。二人とも僕とは仕事関係だったが、二人の間には何の接点もない。一人は僕よりも二歳年上、もう一人は僕より六歳下だった。最初に聞かされたのは年上の男性の方で、彼はジュリーのパフォーマンスがギタリストと二人だったことに驚いた様子だった。その時ステージの模様を詳しく聞かなかった僕は、アンプラグドみたいなアコースティックなライブを勝手に想像していた。だが、しばらく経って年下の男性からアコースティックではなくロックだと聞かされた時、俄然観に行きたくなった。今の理事職に加えて、今年は四月から非常勤の国家公務員の仕事が始まる。時間は限られている。タイミングを逃したらまずいと思って妻を誘った。
僕達の席は、ホール3階の前から2列目の真ん中。2階は全く見えない(見る必要もない)が、1階は直ぐ真下に見える。ざっと見渡したところ、7年前に京セラドームで観たタイガース復活ライブの時より男性の割合が増えている。70年代のコンサートがまるで想像できなかった。
さて6時開演になると、胸が銀色に光る純白のコスチュームを着たジュリーがギタリストの柴山和彦氏と共に登場。オープニングから舞台狭しと、走りながら歌うエネルギッシュなパフォーマンスは、今年6回目の年男とは全く思えない。2曲目の「おまえにチェックイン」が終わったところで横から妻が「あなた完全に負けてるやん」。いや、何もジュリーと競争なんかしてないから。昔、カッコ真似してただけやから。だが、ジュリーは〝老い〟を感じさせないどころか、70年代よりも声が出ていた。彼はずっと右肩上がりの成長を続けていたのだ。そうか、〝現役〟とは、こういうことなのか!と一つ目の感動。
二つ目は1階にいるファンの人たち。おそらく僕と同年代か、それ以上の年配の方たちなのだろうが、オープニングからエンディングまで、ずっとオール・スタンディングだった。MCでジュリーは八十八歳まで歌い続けると宣言したが、みんなジュリーから元気を貰ってるんだろうな。
アンコールの後、ジュリーは着流しの和服姿で登場。「サムライ」を歌い終えた後で評判のMCに突入。話題はカルロスゴーンから大相撲へ。僕は先代の貴ノ花から親子二代に亘る貴乃花ファンなので、相撲ネタは堪らない。白鳳の土俵入りを見てみようと思ったら、休場してるんだってさ。
そして、最後の一曲。これが僕にしか分からない三つ目の感動だった。その一曲は「危険な二人」。僕の人生を180度変えた曲だ。まるでジュリーが「よう来たな」と言ってくれたようだった。ジュリーが和服姿で歌う「危険な二人」-。そう言えば1973年、この曲がテレビで初披露された時の衣装もまた和服-空手着だった。
コメント
コメント一覧 (4)
ジュリーが以前とある雑誌で大滝詠一さんのことを批判していたことがあるのですが、それは新しいことにチャレンジしようとしていない…彼と一緒にしないでほしい…的なことが書いてありました。
自分は今でも走り続けている、後ろなんか向いていないと云う自負を見ました。
彼にとってタイガース再結成は懐メロ再現では無く、タイガースというバンドがタイトなロックバンドだったことを知らしめたかったンじゃ無いかと ハルトさんのレポートで感じました。
どこかにその雑誌は残しているはずなので、見つけ次第また届けさせてもらいます。
コメント有難うございます。
仰る通り、ザ・タイガースはロック・バンドです。これは瞳みのるさんも力説されています。
コーラス・グループではないし、また室内音楽家では決してないので、ライブこそがザ・タイガースなのですね。
70年代にマチャアキが、ジュリーの活躍がGSの存在を音楽史に留めた、みたいな事を言ってましたが、私はそれ以前のロカビリーまで遡って、ジュリーこそがジャパニーズ・ロックのアイコンだと思っています。柴山さんとのステージを観たかったのは、それを再確認したかったこともありました。何と云っても私の音楽のルーツは「ロカビリー三人男」なので(笑)。
雑誌の件、見つけられたら、ご連絡お待ちしております。
大阪フェスに来られていたのですね。
15日は客席に、仕事帰りらしい白いワイシャツ姿の
サラリーマンの一団や、最前列ではジュリーのMCの
大相撲話に、ニコニコ顔の男性などをお見かけしました。
ジュリー!!と何度も叫ぶ、男性の大声援も聴こえてきたりして
男も女も関係なく、みな ジュリーの歌声を
愛しているんだなと感じました。
自分が若い時は、ジュリー自身が70歳を越えても
変わらずファンであるとは、お思いもしませんでしたが
ジュリーの精神がロックであり続けているからだと思います。
>『ジュリーが和服姿で歌う「危険な二人」-。
そう言えば1973年、この曲がテレビで初披露された時の
衣装もまた和服-空手着だった。』
そうでした、白い空手着でした!当時を思い起こして
とても懐かしいです(^-^)
コメント有難うございます。
sao様もいらしてらしたのですね!
「八十八歳現役宣言」は今回初めてだったのでしょうか?
「自分を騙し騙し」と言われてましたが、日々の体調管理はどうされているのか、何かステージと関係ないことが気になってしまいました。
いずれにしても沢田さんを見習わなければと深く思いました。