タイトル

 井上堯之さんは1962年に歌って踊れるアイドル・グループ「スリー・ジェット」の一員としてデビューした。
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 スリー・ジェットが自然消滅すると、そのバック・バンドだったスパイダースにボーカル担当として加入。さらに
63年には脱退した伊藤源雄の後を受けてリード・ギターを担当することになる。

スパイダースがメジャー・シーンに登場した時、そのダンサブルでアクロバチックな堯之さんのギター・プレイを観た僕は、彼をヴィジュアル系ギタリストだと評価していた。

スパイダース時代
  
  だが、その後Pygを経てウォーターバンドへと続く過程で、堯之さんは多くの楽曲をプロデュースし、後に我が国を代表するギタリスト・作曲家・プロデューサーとなる。後で知ったことだが、堯之さんはスパイダース時代にオーケストラのスコアまで書けるようになったという。その求道者のような音楽に向ける直向きな努力は人並外れたものだったに違いない。

堯之さんが作った楽曲は、第29回日本レコード大賞を受賞した「愚か者」を代表として数多くあるが、僕にとって一番心に残っているのは、やはり1971年の「花・太陽・雨」だ。何をやってもうまくいかなかった当時の僕は、この曲にどれほど癒されたことだろう。サビで堯之さんが弾くギター・ソロを、今でも僕は弾くことが出来る。また大学生の頃、学生会館で上映された映画「青春の蹉跌」のテーマ曲も印象深い楽曲だ。その繊細で美しいフレーズを聴くと、今でも心が洗われるように感じる。そして1976年にリリースされた堯之さん最初のアルバム「Water Mind」に収録された「JUST A MAN」。

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  この楽曲はインストゥルメンタルがジュリー主演のCMでお披露目されたが、堯之さんはこの楽曲を当時のジュリーに捧げるために作ったと言っていた。
英語

 だが今、改めてこの歌詞を読み返してみると、まるで堯之さんの人生を謳っているように思える。「JUST A MAN-ただの男」が努力によってみんなの「夢」になったのだから。
日本語

井上堯之さん、本当に、本当にありがとう。安らかにお眠り下さい。