ドリームランド

もうすぐ子供達の夏休みが始まる。小学生の頃体の弱かった僕は、夏休みの間ほとんど遠出することがなかった。
当時、僕の家は父、母、母方の祖母、弟、そして母の姉にあたる伯母との6人家族だった。伯母は中之島の商社に勤めるOLで、大阪の最南端にあるガソリン・スタンドに勤める父とは違い、羽振りが良かった。そんな伯母に連れて行ってもらったのが奈良のドリームランドだった。小学校1年生の2学期が始まった頃だった。その日は土曜日で、学校から帰ると行水をしながら伯母が仕事から帰るのを待った。ドリームランドでどんな乗り物に乗ったのかは全く覚えていないが、到着したのが夕方近くだったので、閉園間近までいたことは覚えている。そして今も記憶に残っているのが、暮れなずむ空に聴いた小林旭の「落日のシャイアン」だ。今にして思えば小林旭の唄がドリームランドでかかっていたということに可笑しささえ覚えるが、当時はメロディと情景とが不思議なほどマッチしていて子供心にセンチメンタルな気分になった。伯母は僕が小学5年生の時に結婚し、現在95歳で元気に生活している。