1961年も今年と同じように残暑が10月まで続いていた。
遡ること一月前の9月、人気ジャズ・ピアニスト中村八大は3回目のリサイタルを開いていた。
彼がこのリサイタルのために作った楽曲「上を向いて歩こう」は、当時パラダイス・キングのフィーチャリング・シンガーでオリジナル曲のなかった坂本九にプレゼントされることになる。
そして中村が音楽を担当するNHKのバラエティー番組「夢で逢いましょう」の10月の歌として披露されると、いきなり全国各地で反響を呼び、爆発的な大ヒットとなるのだ。
その勢いは日本国内にとどまらず、2年後、ビルボードとキャッシュボックスで第1位。全米制覇するや忽ち世界各国でリリースされることとなった。まさにこの「上を向いて歩こう」こそは、無形の世界遺産と呼べるに違いない。
動画は1962年に公開された日活映画「上を向いて歩こう」のラスト・シーン。
スタートした黄金の60年代の、希望に満ち溢れた人々の様子を見ることが出来る。