辻なおき先生の「0戦仮面」は、週刊少年キング1966年29号から48号にかけて連載された。連載第1回のプロローグで、かつて少年撃墜王の名を馳せた〝桜太郎〟〝東はやと〟の二人が紹介され、新たに登場した0戦撃墜王が仮面をつけていることから、その正体は〝桜太郎〟なのか、はたまた〝東はやと〟なのかが、この物語を貫くテーマとなっていた。いうまでもなく〝桜太郎〟は月刊少年画報で人気のあった「0戦太郎」、そして〝東はやと〟は週刊少年キングで人気を呼びテレビアニメになった「0戦はやと」で、両作品とも辻先生の代表作だ。そしてこの「0戦仮面」は両作品の続編のように、それぞれに登場した宮本大尉や花岡中尉、石川兵曹長など、ファンにとって懐かしいキャラクターが登場した。
物語の主人公「0戦仮面」は仮面少尉と呼ばれ、桜太郎や東はやとよりも階級が上であるからか態度がふてぶてしく、同じ階級の少尉たちから疎まれるが、上官からは何故か信頼されている。だが彼の戦略はことごとく敵に裏をかかれ、最後は捕虜となり、敵の司令官に仮面を剥がされる場面で物語は突然に終わる。辻先生が体調を害されたため、やむなく終了になった訳だが、その後続編もないので、少々後味が悪いが仮面少尉の正体は読者に委ねられたままになっている。
コメント
コメント一覧 (2)
マンガショップのサイトで「0戦仮面」冒頭部を立読みしましたが昭和17年(1942年)の設定なのですね。「0戦はやと」の最終回を見るとキングサタンとの一騎打ちで隼人が胸に砲弾を受けたところで話が終わります。少し前に山本長官が殉職しているので1943年4月18日以降と言うことになります。キングサタンに撃墜されたはずの宮本大尉も登場し「0戦はやと」と辻褄を合わすのは難しそうです。
仮面少尉の正体が不明のまま終了したのは、このような理由なのかもしれません。
コメント有難うございます。
この作品は当時キングで一度だけ読みました。それが最終回でした。「つづく」と書いてあったのですが、続かなかったことを後日友人から聞いて知りました。おっしゃるように話の筋が通らなくなったからなのかも知れません。子供心に「さじを投げた」印象がぬぐえませんでした。